未練～だけどまだ愛してる～
大空と私は高校２年の冬に出会い、大空からのアプローチの末付き合いだした。皆には内緒の秘密の恋が始まった。

大学生になった私は、今でも大空のことが好きだ。この好きだという気持ちは一生消えない想いだろうと自らの胸にしまっている。しかし、それでも別れを選んだのは私だった。

私、妃音　唄（ひおん　うた）は、学校の中では歌い手として有名であった反面、DV男の元カノということでも有名であった。つくづく男運のない、女だった。

そんな中、出会ったのが、清志　大空（きよし　そら）である。本名は清志　紗英（さえ）。お気付きの通り、大空は女である。

性同一性障害を抱える彼は、体と心の性が一致せず、体は女だが心は男という特性を秘めていた。

元彼にDVをされていた私は男性恐怖症になっていた。気を許す男友達、家族以外は全て拒絶反応が出ていた。DVされたあげくに、元彼の企みで別れた後も乱交されかけ、男を信じるなんてことできなかった。だからそこ、性別自体は女である大空の存在が私を救ってくれた。

大空がいなければ私は未だに男性恐怖症であったし、大切な人とも出会えていないと思っている。
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