スケッチブックに描くもの
 ここで違う人だとまた噂になると莉子のさりげない忠告を聞いて。


 今日は、あ!ホワイトボードだ。レギュラー争奪戦がはじまる。前回よりも人数が多いから総当たり戦ではないみたい。
 今日はキャンバスは部室の影に立てかけて置く。持てって良かった。スケッチブックを開く。


 レギュラー争奪戦がはじまった。前回よりもさらに気合が入っている。みんなあの帝流学園の試合を忘れられないから。


 レギュラー争奪戦の結果、レギュラー6名と補欠3名が決まった。
 涼も佐々木部長ももちろん駿河さんもいる。そして今度はちゃんと涼はレギュラーだった。

「おめでとう。レギュラー。今度は本当の」
「今度控えだったら……」
「何だ?佐伯」
「うわ、佐々木部長」

 神出鬼没過ぎるんだけど佐々木先輩。まあ、テニスコート出てすぐのところだから、いて当然なんだけど。

「なんでもないです。さようなら」

 佐々木部長の前だと素直ないい子に変わる涼。
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