スケッチブックに描くもの
 それから毎日佐々木部長の元にレギュラーもそうでないものも打倒帝流学園に燃えていた。まあ、学校名を口には誰も出さないけれど、あの日のことは誰も忘れていない。


 試合当日帝流学園と当たるのは勝ち抜けば三回戦の決勝だった。今日はスケッチブックももちろんキャンバスもなし。純粋な応援としてきたけれど、また前に席がある。ある意味私もレギュラーだったり?


 一回戦が終わり、お昼を挟んで二回戦が終わりいよいよ決勝となる。頑張ってきた成果がでてるのかな? イマイチ強さの具合がわからない私。前にいてごめんなさい。

 次の3回戦の試合まで小休止。とにかく暑いんでお店の中にいる。涼は一回戦も二回戦もストレートで勝っているからかまだ余裕がある。ちょっと散歩と出かけた。多分軽いランニングだろう。次の戦いに備えて。いったいどんなトレーニングしたらこの暑さでテニスしてランニングできるの?

 そろそろ戻る頃かなと外を見ると、まただ。またあの子。多分この前と同じ女子校の制服だし。私は外へ出る。やっぱり我慢出来ない。

「涼?」
「あ、アリス。じゃあ」

 と、私の方に涼は走ってくる。女の子は私ではなく涼を見てる。凄いな。それはそれで。私を完全無視?
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