スケッチブックに描くもの
やってきました準決勝!
問題大ありなダブルスを抱えて不安はあるけど頑張って! みんな!
一回戦いつもと違い駿河先輩。初戦を落として士気が落ちるのを防ごうとしたのかな。
やっぱり強い駿河先輩が大苦戦している。朝だけど、汗がコートを濡らしている。ようやく一勝。
二回戦岡田先輩。駿河さんだと思って合わせてきたのか、すっごい強さで、あっさり負け。
三回戦ダブルス。問題大ありなダブルスなところを見せつけて負けとなる。
四回戦。涼です。あ、あれ? 相手は向こうの部長のよう。部長の声援が飛んでいる。どうやら佐々木先輩ではなく涼を狙ってきたみたい。
さすが部長なだけある、相手は強い。なんか涼がコートを泳がされてる。炎天下、体力なくしたらもう終わり。あ、ああ。
最後これを決められたら終わり。涼から汗が流れ出てる。相手はまだ余裕そのもの。
パーン
最後の一球を決められた。一勝しかしてないのでもう負けとなる。
帰り支度をしているみんなは無言。時々泣き声を殺しているのが聞こえる。
私はテニス部のみんなとは別に帰った。涼とも。なんと言葉をかければいいのか。そして、言葉を返してもらうのが辛くて。
次の日涼はいつもの涼だった。テニス部のみんなもまた新たな目標に向かって動き出したみたい。
夏休みが終わり明日は始業式。テニス部の部活が終わり涼といつものように帰ります。
「佐伯! じゃあな」
突然後ろから佐々木先輩が涼に声をかける。
「何?」
「さあ?」
そろそろ佐々木先輩部活卒業かあ。次の部長は駿河先輩かなあ。テニスの実力からみても。