ぶきような想い



それにしても

なんだか静かだな今日のシオンは











「本当に大きな家だよね〜」





「広いだけでほとんど使ってない部屋の方が多いけどな」











そっか、両親もほとんど海外に行ったりして帰って来ないらしいもんね











「いつから一人なの?」





「物心ついた時にはもう召使いとかメイドが世話してくれてた」











なんだか…悲しいなぁ











「シオンは悲しくなかったの?
少しくらいどこかに連れて行って欲しいとか」











私がそう聞くとシオンは少しだけ目線を下げる











「別に何も期待してねぇ
そういうもんだと思ってたからな」











そういうもん…かぁ



もしかしたらシオンは人一倍寂しい思いしてたのかな?




なんて私が心配したのもつかの間


シオンはケロッとしたように笑う











「まぁ〜両親じゃないおかげで
わがまま言いたい放題で楽しいけどな!」











あ、なるほどね…



シオンから言われたらなんでも聞くよねそりゃ




社長様の息子だしね


存外な扱いなんて出来ないよね、うん











「おかげで俺みたいな性格なんだよ」











あ、自覚あるんだ笑"





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