ぶきような想い


[シオンside]



授業開始5分前のチャイムが鳴っても夏歩が帰って来ない





何があった?




俺が不思議に思いながら夏歩の机を眺めているとあいつ…槙野輝樹が帰ってきた




槙野が帰って来たのに夏歩が来ねぇなんておかしい




やっぱり何かあったのか…?





自分の席に戻ると思っていた槙野が俺の目の前に立ってきた











「なんだ」





「はい、これ夏歩が弁当置きっぱなしでどっかに行った」











そう言って夏歩の弁当箱を俺の机の上に置く





気安く夏歩なんて言いやがるのも気に食わないんだよな


てか絶対気があるだろ





俺が睨んでいると槙野はヘラヘラしながら話し出す











「俺、夏歩のこと好きなんだよな
さっき告白してキスしたから」





「は??」









なにヘラヘラしながらそんなこと言ってんだこいつ


頭おかしいのか??









「人の女ってのわかってんのか?
2度と夏歩に手出すなよ」





「んー、それは無理かなー?
俺が入る隙があるから仕方ないだろ」











俺が入る隙がある??

そんなに隙だらけだっけな?




確かに春と詩音みたいにラブラブじゃねぇし
どっちかってと友達とバカやってるみたいだけど




それってダメってことなのか??



わかんね











「とにかくお前は嫌いだ
じゃあな」











俺は槙野を置いて教室を飛び出した





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