ぶきような想い
[夏歩side]
夢の中にシオンが出てきた
すごく怖い顔で私を怒っているシオン
原因はもちろん輝樹くんとのキス
もしかしたら別れるんじゃないだろうか…
って最悪なことを予感した矢先に
「こんなとこにいたのかよ夏歩
起きろ」
と、私の一番好きな人の声が聞こえてきた
「シオン…」
私が目を開けると何故かそこには本物のシオンがいる
え??
これってもしかして
正夢になるとか??
嫌だよ!!
「おお、起きたか」
「う、うん」
でも私の夢とは真逆でシオンの声は妙に落ち着いていて安心する
「ごめん…ごめんねシオン…」
シオンにはちゃんと言わなくちゃ
私は決心して口を開いたのに
シオンは今まで見たこともないような優しい笑顔で微笑んできた
何その笑顔…反則だよ
「知ってるから。何も言うな」
「……」
知ってたんだ…
なるほど、だからここに来てくれたんだね