ぶきような想い
「と…くだらん争いをしている場合じゃない
お前に会わせたい人がいる」
「またかよ。
俺は会わねぇ!」
「わざわざ日本に来てもらったんだ!!
今更後戻りなんて出来ないんだからな」
待って待って
なにこの急展開!?
なんで二人の間で話が進んでいくの?
そして何この胸騒ぎ…
そしてシオンのお父さんが連れてきたのは
「こんにちワ
わたしアンジュリナ・フランクといいまス」
出て来てそう、カタコトで名乗った人は
とても綺麗な金髪の長い髪で、綺麗な青い目をしたとても綺麗な女の人。
アンジュリナ・フランクさん…
やっぱり嫌な予感は的中しそう…
「この方はフランク財閥の娘さんだ。
お前の将来のお嫁さんだ。シオン」
「っ!」
シオンのお父さんがそういった瞬間シオンの目には怒りと悲しみと絶望が混じった
やっぱり、女の感って当たるんだ…
つまり二人は親が決めたとは言え婚約者ってことか…
「俺は、俺はこいつと付き合ってんだ」
そう言いながら私の肩を抱くシオン
私は急いで格好はどうしようもないから、せめてウィッグを取る
シオン父の恐ろしい目で見られて怖気づきそうになると、シオンが耳元で囁く
「大丈夫だ。俺が好きなのは夏歩だけだ
あのジジイに従うつもりなんてねぇ」
「あ、ありがとう…」
その言葉でどれだけ勇気が出たか…
けどシオンが私の肩を抱く行為は余計にシオン父を怒らせたようで…