ぶきような想い
[夏歩side]
私が泣くとみんなが慰めてくれた
「私…どうしたらいいの…」
「夏歩ちゃん…」
ことちゃんはただ背中をさすってくれている
美香は黙って私を見たかと思うと
「答えはもうあんたのなかにあるんじゃない?
例えそれが辛いことでも、どうしなきゃなのかはわかってるんじゃない?」
「美香…」
本当美香には毎度参らされる
なんでもお見通しなんだもん
「私…決めたよ。
これが間違いでも正しくても、私は正しいと信じる!」
「うん、私達はいつでもそばにいるからね?」
「ありがとう…!」
きっとシオン父になんとかお願いするのもありだと思う
だけど私は身を引くよ
シオンが大好きなのに変わりはないけど
でも、私はただ思っている事だってできる
それならずっと思うだけでいいじゃん
向こうは他に大事なものがあるんだから。
間違った決断かもしれないけど
私は両想いという素晴らしい現実を捨てて
シオンにずっと片思いし続けるよ。
それがシオンのためだと言い聞かせながら…
涙を拭いて顔を上げるとドアを開けたシオンが帰ってきた。