ぶきような想い




「本当は高校からフランスに行くはずなのを大学からにしてやったかわりに、俺の言うことを聞く。とな?」





「……」












そ、そんなこと約束してたんだ…













「でも付き合う相手とかを決められる覚えはない」





「じゃあ命令だ。
早くそいつと別れてアンジュリナさんとお付き合いしなさい」





「…」











シオン何か言ってよ…



なんで黙り込んじゃうの?



それはもう従うしかないことなの?











「わかった
話してくる」





「あぁ」











わかったってなに??

話ってなに??




シオン…












「行くぞ」





「し、シオン…」











シオンは黙って私の手を引き、自分の部屋に戻ってきてしまった






何もない。何もはなさない沈黙




これはもう…覚悟を決めるしかない







私が話を切り出そうとすると、シオンは側にあったクローゼットを殴った











「くそっ…
なんなんだよ…なんでだめなんだよ!!」











初めて見たシオンの姿




何があっても飄々として余裕な感じのシオンが

こんなにも感情を表に出して苛立っている…






でもこれでいいんだ



こんだけ好きってことがわかったから






私はそれだけで幸せだよシオン





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