ぶきような想い




何してるのあの子は…






美香は教室の端っこでシオンに掴みかかりそうな勢いで話していた











「何話してるの??」











ことちゃんに聞くけどことちゃんはただ曖昧に笑うだけ











「なんか、すごく怒ってたよ…」





「はぁ…私のことだったら止めなきゃ」





「そ、それまではわからない…」











まったく…

自分で確かめるしかないってことか…










私は思い切って二人の間に入っていく











「なーにしてるの?!
喧嘩しちゃダメでしょ?」











そう言ってニコッと笑うと
シオンは私から目を逸らしてしまった



あれ?避けられた??











「何をそんなに言い合いしてたの?」





「別に。こいつがアホだからムカついた」











美香…

そんな悲しそうな顔して言わないで?

ムカついてる顔じゃないよ











「美香ちゃん、絶対に言うなよ」





「それはどうかな?
時と場合によっては教える」





「…そうかよ」











なんだー!すごい気になる!!




シオンはそのままアンジュリナさんの所に行ってしまうし…




美香は私に向かってニヤッと不敵な笑みを浮かべてくるし…











「まぁ、好きなら好きって言えばいいのにね」





「え??」











美香はポツリと呟いて席についてしまった





好きって言えばいいのにね??

それは私に向かって言ってるのかな…?





そんなの…言えるわけないのに





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