ぶきような想い




二人並んで歩く




こうやって二人で下校するの本当に貴重

いつもあの大きな車がシオンを乗せて帰るから
私は下校は過去考えてもないと思う

送ってもらったことはあるけど






だからこそ口元がニヤけてしまう











「何ニヤけてんだよ
きしょくわりぃ」





「に、ニヤけてないよ!」











気色悪いってなんだよ泣



思わずニヤけちゃったんだもの











「ん、まぁたまにはこうやって歩いて帰るのもありだよな」





「うん…」











そうは言っても今日がきっと最初で最後なんだろう


余計寂しさが積もる











「もっとこうして歩いて帰ればよかったな」





「うん…でもいいんだ♪」





「本当は歩いて帰りたかった?」











そりゃ…少しは思ったこともあるけど

でもそんなわがまま言えないよね











「今更言っても遅いでしょ?」





「…まぁそうだな」











あ〜寂しい




私が悲しくなってきたらシオンはすぐに手を差し出してくる







これは…手繋いでいいんだよね?





そっと手を重ねるとギュッと握ってくれる温かい手





安心するなぁ





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