ぶきような想い
この男の子見たことある
同じ体操服姿だし
えっと…誰だっけ?
「ついてきてた
俺は夏歩さんに用があってついて来た」
夏歩さんって…!
さんってキャラじゃないからね!?
「それならそうと話しかけてくれれば良かったのに!それで?誰だっけ?」
その男の子は私ではなくシオンを睨みながら自己紹介をする
「隣のクラスの山口」
ごめんね山口くん
知らないや!
私に自己紹介してるはずなのにシオンと睨み合いをしている
どうしたよーーーお二人さん?
「ねぇ、夏歩さんはこのくそ蒼山と付き合ってるの?」
くそ蒼山ーーー!!?
お前なぁ私の好きな人をそんな言っちゃっていい度胸じゃん!
なーんて言えないから
「付き合ってな「付き合ってるけど?」
おいーーーーーー!!?
シオンさんは私の言葉を遮ってしまった!
私あなたと付き合ってないよ!?
ま、まぁ時に身を流すことにしよう
「こんな奴やめといたがいいよ!!
こいつ!凛子が言ってたけど付き合ったのに全然大切にしてくれないし
すぐ別れた最低なやつなんだぞ!?」
凛子ちゃん…
仮にも好きだった人を悪く言って楽しいのかな?
シオンの顔は複雑なものに変わる
きっと色々言いたいことはあるのだろう
「別にいいじゃん!
どんな最低なやつでも自分が好きになったんだから。そんな最低なやつを好きになったひとは最低なんじゃないの?
それにいいとこだっていっぱいあるよ」
私はいいとこも悪いとこも知ってるよ
悪いとこの方が多いだけだから…
「そんな最低なやつじゃなくて俺と付き合えよ!!」
意味わかんない
なんであんたなんかと…
いい加減イライラするなぁ
「何も知らないくせに言うな!!
私はシオン以外なんとも思わないの!!
あんたなんかもってのほかよ!」
私が怒鳴ると山口くんはびっくりしたように後ずさる
それに追い打ちをかけるようにシオンは低い声で脅す
「別に俺はどうでもいいけどよ
夏歩に手だすなよ?他の奴らにも言っとけ」
「わ、わ、わかったよ!」
そして山口くんは走って行ってしまった