君がとなりにいた日には
「ここなら誰もこないでしょ?」
「あの、マネージャーここって...。」
「ん?」
「なんで...、なんで体育館の倉庫なんかにいるんすか?」
「いやー。だってしょうがないじゃん!」
「今さっき、先生来ちゃったんだもん。補習させられちゃう、。」
「しょーがないっすね。」
ガラッ
「また、来た。」
「しっ。」
聖也の手...大きい。
聖也の大きな手で口を塞がれた。
ここにもいないなっ。と言わんばかりに先生は出ていった。
「ふぅー。行ったみたいっすよ。」
「せ、聖也...」
「ん、なんすか?」
「ん。」
マネージャーは唇を差し出してきた。
「なんすか、俺を誘ってるんすか?」
「ねぇ、聖也、あたし好きだよ。」
言ってしまった。
「マネージャー、今の状況わかってます?」
「俺、襲おうと思えば襲えるんすよ?」
「いいよ...。」
「...。なんちゃって。ちょっと大人っぽいこと言ってみただけですよ。」
ドアを開けようとした瞬間。
「だめ!まだ...。行かないで...。」
「だめっすよ。マネージャー。俺らまだそんな関係じゃ...。ん。」
それは最初で最後のキス。
「ん。だめ。もう、抑えられないの。聖也を好きっていう気持ち。」
「ちょっと...。何してんの。」
「柚衣っ。」
「ちょっと...答えなさいよぉ!」
「ごめんね。柚衣ちゃん。聖也はあたしのもの。」
こんなに探して。聖也を信じて、好きだって伝えようとしたのに、、。
どうしていつもこうなるの。神様はいじわるだ。いや、意地悪なんかじゃない。これはいじめだ。
「もぉ、聖也もあんたも大っきらい。」
私は誓った。もう誰も信じない。