君がとなりにいた日には

揺らぐ気持ち

もーー。やだ。大っきらい。


最低。


そうだ。こんなときこそ。さとみに相談しよう。


さとみを探した。


どこだろ。


あっ。


「さーとみっ。」



「おっ、やっほ〜。柚衣」


「ねー。聴いて欲しいことがあるんだけどさ。」


「あー。ちょっとごめん。いま手が話せなくてさ。ごめんね。」



「あー。そっか。こっちこそごめんね」


みんな、忙しいんだ。やり場のない怒りさえもこみ上げてくる。


そこに通ったのは。


「あれ〜、柚衣じゃん。」



「あー、陽向。」


「どうしたんだよ。こんなとこで、」


「いや、ちょっとね。」



「...。なんだよ〜、水くせーな。」



「なんかあんなら俺に言えよ。」



「うん。ありがと。」



なんでだろ、自分が弱っているときに優しくされると、ドキッとしちゃう。



「んじゃあなー。」


「......。まって!陽向!」



「話...。聞いて欲しい。おねがい...。」



「おう。しょーがねーな。」



私は陽向に話すことを決めた。


陽向だけに。
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