君がとなりにいた日には
「...。」
「...。」
私たちの間に会話はない。なにか話そうとしたけど話題が見つからない。
私のことなど気にせずスタスタと前を歩いていっちゃう聖也。
もー、優しいのか冷たいのかわかんないじゃん。
色々なことを思っていると、
「おー、ついたついた〜。めっちゃ懐かしい。」
「ホントだね〜。」
わたし達は職員室へと向かった。
コンコンっ
「失礼します。あのー、俺たち蜷園高校から来ました。黒崎聖也...と」
「山下柚衣です。あのー、相川先生に頼まれてきたんですけど...。」
「あ、はい。少しお待ちください。」
私の担任だった先生はどこにいるんだろうと、周りをキョロキョロしているとしていると、
「なにお前、挙動不審なことしてんだよ」
聖也に言われてしまった。
「え〜、覚えてないの?中学校の時の担任の先生。」
「はぁー?知らねー。」
ここまで冷たくしなくてもいいじゃん。いつからこんなになってしまったんだろう。さっきの優しさはなんだったの!?
胸がズキズキした。
もぉ。やだ。
そんなことを思っていると
「は〜い。お待たせ〜。あら、柚衣さん。久しぶりね〜、聖也くんも。ご無沙汰ね。」
先生はちっとも変わってなくてびっくりした。
「あ〜!お久しぶりですー!先生も元気そうでなによりです。」
と、頭を下げ挨拶をした。
「相川先生から頼まれたんだって?もー。ほんとにお疲れ様ね。遠かったでしょう?」
「いえいえ。そんなことありません!」
謙遜しつつも、内心では確かに遠かったなと思っていた。
「あっ、そうだ!資料できるまで少しかかりそうだから、少し見学してく?土曜だから誰もいないし、懐かしいでしょ。」
「あ、はい!是非!」
「いいよね?聖也?」
「おう。俺はいいけど。」
そういって、わたし達は校庭にでて久しぶりに見学することにした。