意地悪なキミの好きな人
「あんな先輩やめて俺にしろよ。俺なら泣かさねぇし、笑顔にさせる。」
新大だったら確かに泣かないのかもしれない。
つらい思いだってしなくていいかもしれない。
だけど……
「私が先輩のことでつらくなったり泣いちゃったりするのは、
それだけ先輩が好きってことだから。
だから、ごめんーー」
それとありがとう。好きになってくれて嬉しかった。
「そうか。って、断られるのはわかってた。おまえの先輩の想いも。」
切なげに笑う新大は見ててつらかった。
「だけどさ、これからも幼なじみでいてもいいか?」
新大にそう聞かれてコクリと頷く。
「むしろ私がお願いしたいくらいだよ。」
私がそう言うと新大はニコリと笑った。