意地悪なキミの好きな人
「テメェ……野原を離せ…。」
「せ、先輩っ……」
来てくれた。先輩が来てくれた。
「なっ、なんで如月先輩が……っ」
驚いたのか山原くんの力が弱まる。
その隙に逃げ出して先輩のもとに走る。
「せんぱっ……」
すると先輩は私を背にしながら山原くんを睨んだ。
「……悪いけど、俺キミを殴りそうなんだよね。」
手をポキポキ鳴らす先輩。
こ、怖いよ……これまで以上に怖いよ、先輩…。
「だから…今すぐここから出てってくれるかな?じゃなきゃ、命の保証はしないけど。」
すると山原くんは光の速さで美術室を出て行った。