意地悪なキミの好きな人
先輩と姉
「お姉ちゃん、」
家に着き、テレビを見ているお姉ちゃんに話しかける。
「おかえりー。どうしたの?深刻そうな顔しちゃって。」
呑気なお姉ちゃんに深呼吸をしてから聞く。
「先輩ーー如月先輩のこと好き?恋愛対象として。」
「んー?如月くん?恋愛対象としては好きじゃないかな。
後輩としては大好きだけどね。」
ニコッと笑うお姉ちゃん。
……先輩もこの笑顔にやられたのかな。
「でもお姉ちゃん、こんど先輩と美術館行くんでしょ?どっちが誘ったの?」
思い切って聞いてみる。
「ん?如月くんからよ。私からなわけないじゃん。
私だったら美桜誘うわよ。」
「だよねっ、ありがとう!」
じゃなくて。
やっぱ先輩からか。
お姉ちゃんのこと本当に好きなんだな…。
トボトボと部屋に戻る。