意地悪なキミの好きな人
「ごめん、やっぱやりすぎた。」
そう謝って先輩はペロッと自分の唇をなめた。
その仕草がまた色っぽくて……じゃなくて!
「先輩、話しそらさないで。あの女の人は誰なんですか。」
真剣にそう聞く。
「浮気じゃないよ。ただの従兄弟だよ。」
偽ってる様子もなく、従兄弟っていうのは本当っぽい。
でも……従兄弟でもいまは結婚できるから。
「なにもないですか…?」
「なにもないよ。」
そうにこりと笑う先輩に騙されそうになる。