意地悪なキミの好きな人
「先輩、離してくださいっ!」
「離さないよ。だって野原は俺のでしょ?」
そう言って先輩は私にキスをする。
「んっ……」
言葉や行動はキツかったのに、キスは優しくて驚く。
触れる手も安心するし……。
やっぱり先輩は優しいのかもしれない。
そう思ってると、先輩はキスをやめて耳を甘噛みする。
「ちょっ、せんぱっ……」
「……野原、好きだよ。」
耳元でそう囁く先輩。
「ごめんね、少しいじめすぎちゃった。」
申し訳なさそうに言う先輩。
「い、いえ…」
「気をつけるよ。やっぱり、野原、涙目になってるし……」
「え、そんなこと…っ。」
先輩はそう言って私の目元の涙を拭う。
「ほら…濡れてる……」
涙で濡れた指をご丁寧に見せてくれる先輩。