意地悪なキミの好きな人
文化祭 1日目
文化祭、前日ーー
今日は衣装合わせと最終確認をするらしい。
「美桜ちゃん、こっち、おいで。」
衣装係である、器用なクラスの女子に呼ばれる。
「あ、うん。」
「はい、これ着てみて。」
そう言ってクラスの女子が出すのは絶対私には似合わないワンピース。
ヒラヒラとリボン、キラキラがいたるところについている。
「ドレスにしようかと思ったんだけどね、喫茶店だし、動きにくいかな。って思って。ほら、着てきてよ。」
「こ、こんな可愛いの…着れないよ。」
そんなことを言っても、今更聞いてくれるはずがなく、
「はいはい。あそこで着替えればいいから。」
軽く流されてしまった。