意地悪なキミの好きな人




美術館なのに結構な人混み。



はぐれないためか、


「っ…!」



先輩はお姉ちゃんの手を握った。



なにあれ、手繋いじゃってるじゃん。



ポロリーー



涙がこぼれる。



「真美ちゃっ……!」



ポロポロ泣きながら、その場に座り込む。



「帰る……もうやだぁ!」



拭いても拭いても止まらない涙を抑えながらみっちゃんに訴える。



もう、見たくない。先輩とお姉ちゃんなんて。


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