意地悪なキミの好きな人
「ちょっと来いよ。」
するとおとなしくこちらへ来るクラスの女子たち。
「おまえら……俺らのあれ、見てた?」
そう聞くと女子の1人が消え入りそうな声で、
「すみません……」
と言った。
「そうか……」
さて、どうやって野原に近づけないよう言おうか。
少し考えて口を開く。
「悪いけど……彼女とまわりには今見たこと言わないでくれるかな?
周りに言われるといろいろ面倒だし、彼女はもう知ってるから言う必要ないから。」
すると女子たちは必死で頷く。
これで……女子たちが野原に手を出すことはないだろう。
「もういっていいぞ。」
「っ、はい。」
逃げるようにして帰る女子たちを見てそう思った。