意地悪なキミの好きな人
「っふぅ……緊張した……ごめんね、つかんじゃって。」
新大の制服の袖を離す。
「おまえさぁ、あの先輩のこと好きなの?」
「っ……」
バレてる。それにしてもなんで怒ってるの?
「なぁ、答えろよ。」
キッと睨まれる。
「や……あの…好き、じゃない……」
バレたらいけない。そう思い、嘘をつくと新大は目を細めた。
「そうか……」
少し寂しそうな新大。
でもすぐに笑顔を取り戻して、
「あんなイケメンの先輩、誰だって惚れるよなぁ。」
そう言ってニコリと微笑んだ。