意地悪なキミの好きな人




「あの、先輩……?」



空き教室に連れてこられ、扉を閉める先輩。



「俺、美咲先輩が好きなように見える?」



口元を押さえながらそう聞く先輩。



「はい、誰が見てもそう思います…」



ボソリとそう答えると先輩はヘナヘナと座り込んだ。



「マジかよ……。みんなにバレてたのかよ……」



バレてた、という事は好きだってこと。



「じゃあ本当にお姉ちゃんのことが好きなんですか……?」



聞きたくない答え。わかりきってるし。だけど聞かなきゃ何も変わらない。



「あぁ、好きだよ……」


< 49 / 335 >

この作品をシェア

pagetop