意地悪なキミの好きな人
「っ、やっぱりですか……」
言える、この雰囲気なら言える。
なんでそう思ったのかわからない。
「私、先輩のことが好きです。」
次の瞬間、ハッキリと口にしていた。
「え。」
戸惑う先輩。
好きなんです。先輩が。だけど振られるのは目に見えてるから。
「返事はしないでください。まだ聞きたくないです…振られることはわかってるので。
ただ、伝えたかっただけですので。これからもいつも通り接してくださいね?」
私はそういうだけ言って、空き教室を出た。
っ、先輩と密室とかヤバかった……
赤い顔を誤魔化すように私は走って美術室に戻った。