意地悪なキミの好きな人
視界に入る隣の先輩の絵。
「……っ…」
私はもともと先輩の絵に見惚れてこの部活に入った。
そんな絵を描いてる人の隣なんてすごく緊張する。
それが好きな人となるとなおさらだ。
「おまえ、だいぶ上達したな。」
隣から聞こえる先輩の声。
「へっ、あ、ありがとうございます!」
緊張して声が震えるけど気にしない。すると先輩はニコリと笑った。
「これからも頑張れよ?」
「は、はいっ……」
いつも通りすぎる。さっき告白した後とは思えないよ……。
確かに、いつも通り接してくださいね、とは言ってたけど。
だけど少しくらい意識してくれたっていいじゃん……っ。
まぁ、それだけ私に興味ないってことだよ。