意地悪なキミの好きな人
以前のように先輩と
次の日。
「おはよう、美桜。今日もこの時間帯かよ。」
今日も朝早く家を出ると昨日のように新大にあった。
「うん、ちょっとね……」
この時間帯は先輩と会えるから。
キョロキョロと探すと後方に先輩を見つける。
ーーいたっ!
どうしようか、駆け寄ろうか。
でも……
「美桜、行かねぇの?」
「行くけど……もう少し。
ってか、新大、先行ってていいよ。」
わざわざ待ってくれなくても……。本当に新大は優しいなぁ。
すると新大はわたしの手首をつかんだ。
「あの先輩を待ってんの?」
「ち、ちがっ……」
まさかの図星で少し慌ててしまうと新大はため息をついて私の手首をつかんだまま歩き出した。