意地悪なキミの好きな人
「待ってないんならいいだろ。行くぞ。」
「へっ、あ、うん……」
つかまれてる手を振り払うことはできず、先輩をチラチラ確認しながら新大と並ぶ。
「ねえ、怒ってるの?」
なぜか不機嫌そうな新大。
「怒ってねぇよ!」
……怒ってるんじゃん。
校門に着くと、真美ちゃんに会う。
「あれ?美桜、先輩から乗り換えたの?」
「ち、違うしっ!」
真美ちゃんに言われ、つかまれてた手を振り払うと新大は表情を曇らせる。
「俺のこと嫌い?」
「へ?嫌いじゃないよ。むしろ好きだし。」
私がそう言うと新大はため息をついた。
「もういい。」
なぜか怒られてしまった。
そして1人で歩き出す新大。