意地悪なキミの好きな人
「……よろしくなんてしねぇよ。」
そう言って去っていく新大を見て先輩はポツリとつぶやいた。
「……あーいうタイプ、からかうと面白いよね。」
そうです、先輩S入ってます。
よく友達に、
『Sさえなけりゃ、お前は完璧なのにな。』
と言われてるのを見ますね、はい。
「先輩、新大をいじめるのはやめてあげてください。」
ため息をつくと先輩は首をかしげる。
「俺、あの子のこといじめると楽しい、じゃなくてからかうと楽しいって言ったんだけど。
てか、いじめると楽しいのはおまえだし。」
は……?
私、先輩にいじめると楽しいって思われてるの?
「ひどくないですか⁉︎ 」
「ごめん。でもおまえを見るとギリギリまで追い詰めていじめて焦らして、
最後には突き落としたくなる。」
色っぽい先輩の表情にゾクリとしてしまう。