悲劇の姫〜海賊になった少女〜
機嫌が良くなった…っていうには、まだ程遠いルイだけど
「なんか…さ、ルイって単純だね!」
そう言うと不機嫌そうな顔に戻り私を睨んだ
「なんで俺が。」
「だって、今朝何か嫌な事があったのかもしれないけれど、港に出てきたらすっごく笑顔なんだもの!」
「……はぁ」
長い間のあと、ルイは溜息をついて私の手を握った
「どうしたの?嫌なこと思い出させちゃった…?」
「いや、お前にはかなわねぇな。」
そう言いながら、目の前を走り抜けた子供達を微笑ましそうに見つめていた
やっぱり、私にはルイが分からないな…