悲劇の姫〜海賊になった少女〜
鳥のさえずりで目が覚め、船じゃないことを確認した
一番わがままなのは私なのかもしれない。
弟のオーガストが気になるなんて言いながら、まだルイと一緒にいたいなんて……
「目覚めるための剣となり盾となる…か。
やっぱり、良く分からないな……」
ノックの音とアンナの可愛らしい声が聞こえた
「おはようございます。お部屋の清掃に参りました」
「入っていいわ」
アンナは扉を開けると私にふわっと笑いかけた
「朝食の準備はできていますが、こちらで召し上がりますか?」
「ごめんなさい…、あの朝食はいらないからホットチョコレートを入れてください」