悲劇の姫〜海賊になった少女〜
「本当にいいの?」
オーガストが不安げな表情で私に言った
「大丈夫よ?それに、私は王なんて器じゃないもの」
もちろん、オーガストにもしものことがあれば私が王になる。
「……そう。バウスフィールドはどうなったの?」
「分からない……けど、悪い噂は聞かなくなった。これだけは言えるわ」
私がオーガストに笑いかけたのに対して、彼は悲しそうに私を見ていた。
「コーデリア姉様は、もういいの?」
「え…?」
「これ読みなよ」
それだけ言うと客人のとこへ行ってしまった
残されたのは、ぐしゃぐしゃに丸められた手のひらサイズの黄ばんだ紙