悲劇の姫〜海賊になった少女〜
「素晴らしいですな!」
「新しい恋人でも誕生ですかね?」
「二人とも美しい」
「姫様が男性とダンスを!!」
ホールは歓声につつまれた。
「……恋人?冗談じゃないわ」
そう呟くとユリジュスには聞こえていたようで
「今度我が国に招待しましょう!エスコートして差し上げます」
声を大にして皆に聞こえるようにそう言った。
「おお、ユリジュス王子がデートに誘ったぞ!!」
こんな状況で断るなんて空気が読めないほど馬鹿じゃない。
「ありがとうございます。その時はお願いしますね」