悲劇の姫〜海賊になった少女〜
「コーデリアお姉さま〜!!はやく!」
馬車に既に乗り込んでいるトレニアとカウイがまだ半分も歩いていない私達に手を振っていた
「ユリジュス、競争よ」
私はユリジュスの返事を待たずに走り始めた
「え!?ちょっ」
珍しく焦っている声が聞こえる
その時、私の横を凄い速さで駆け抜けて
もう馬車についていた
「ユリジュスって足速いのね…」
「姫ってもしかして、私のことただのナヨナヨしたストーカーとか思ってたでしょう?」
「………まあ、否定は…しない」
「心外ですね」
悪戯に笑う彼を見て、少しだけ胸が高鳴った