悲劇の姫〜海賊になった少女〜

「ワイアットさま、あなたは俺が守ります。」


「さまはいらないよ。俺はあんたの弟だ。敬語もなし!な?兄貴!」


「ああ…」

納得のいっていないトリスタンに私は軽く笑った。



「それにしても、海賊たち遅いな」


ドアの隙間から向こう側をのぞき込むトリスタンがそう言った


「忘れられたとか?」


わざとらしくそう言ってみせた


「…コーデリアさま。無理に笑わないでください。
俺と一緒の時だけでも女性で居てくれませんか? 」


両目から涙が溢れた。


「ありっ…がとうっ…」

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