悲劇の姫〜海賊になった少女〜


「……この柄」


あの日、ルイが言っていた言葉


『このドレス、お前に似合うんじゃねえか?』


『俺、男な?』


冗談かと思ってた。
似合ってるっておもってくれてたの?

…そんなわけないか。



涙をふき、部屋を出た。



私が向かった先は地下室。


「トリスタン!」


扉をあけたとき、私はトリスタンに抱きしめられていた。


「会いたかった」


そう耳元で呟かれ、顔が熱くなる。

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