悲劇の姫〜海賊になった少女〜
9 ルイside
俺はいつものように、城を抜け出した。
夜になったバウスフィールドの町で酒を飲むために。
『お前はバウスフィールドの汚点よ!』
『この恥さらし!』
『こんなこともできないのね。
バーナードとは大違いだわっ!!
やっぱり、あの女の血が流れてるからよ』
城にいれば、あの女に殺されるような気がしてたまらなかった。
その日は特にイライラしていた。
酒の味なんてどうでもよかった。
早く酔えれば、それでよかったんだ。