悲劇の姫〜海賊になった少女〜
ある朝、窓から入った太陽の光に目が覚めた。
トランペットにトロンボーン、その他色々な楽器の音色がきこえる
高い位置につけられた窓から覗くことはできないので、
冷たいレンガの壁に耳を当てた。
聞こえてきたのは、楽しそうな笑い声にやっぱり楽器の音だった。
「………バーナードの誕生日か。」
今なら出られるかもしれない
城の外で行われているのは恐らくパレードだ。
バーナードを守るために兵士たちがでているだろう。
城の警備が薄くなっている今がここから出られる最後のチャンスだ。