手品師
下校 3日目
「お、おじいさん!」
若い男性に向かって、僕は声をかけた。
彼は、「おじいさん」と呼ばれるには若いのだけれど、すぐ振り向き、僕を見つけると微笑んだ。
「石は、気に入ってくれたかな?」
僕は、黙って石を差し出した。
「これ、受け取れません。返します。…ごめんなさい」
「どうして、受け取れないのかな?」
…え、どうしてって言われても、困るんだけど……
言いようのない感情から、持っていたく、ないんだ。
怖い、から、なのかな…?
僕は、黙ったまま、彼にその宝石を渡した。
彼は微笑んだまま軽くため息をつき、手の上の宝石をじっと眺めた。
「ではやはり、これは消すしかないか…。
もう、疲れたしな…」
そう呟く。
若い男性に向かって、僕は声をかけた。
彼は、「おじいさん」と呼ばれるには若いのだけれど、すぐ振り向き、僕を見つけると微笑んだ。
「石は、気に入ってくれたかな?」
僕は、黙って石を差し出した。
「これ、受け取れません。返します。…ごめんなさい」
「どうして、受け取れないのかな?」
…え、どうしてって言われても、困るんだけど……
言いようのない感情から、持っていたく、ないんだ。
怖い、から、なのかな…?
僕は、黙ったまま、彼にその宝石を渡した。
彼は微笑んだまま軽くため息をつき、手の上の宝石をじっと眺めた。
「ではやはり、これは消すしかないか…。
もう、疲れたしな…」
そう呟く。