あの日、青春のど真ん中で
定時になると、俺は鞄を握り、書類を部長に提出して真っ直ぐ家へと向かう。


生まれ育った埼玉の街とは大きく異なる東京の夏を、俺は何回経験しているのだろう。


だんだん人の多い都会のような雰囲気とはかけ離れた、普通の住宅街を真っ直ぐ突き抜ける。


歩く速度が速まるのは何故だろう。


いや多分、頭の中にあの曲がまだ残っているからだろう。
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