あの日、青春のど真ん中で
7時だというのにまだ辺りはそこそこ明るかった。


オレンジ色の空を見つめ、汗を流しながらマンションの階段を上った。


自室の鍵を開け、暗く狭い玄関で靴を脱いだ。


わん!っとノロノロと、飼い犬のナナが走ってくる。


ナナの頭をよしよしと撫でながら、俺はネクタイを緩め、ポストから持ってきた手紙の数々をテーブルの上に置いた。
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