誰かがいない
第１章 : コミュニケーション
私の家族は、３年前に起こったあの事件以来、バラバラになった。
いや、一見外から見ればごく普通の家族に見えるのかもしれない。
だが、我が東条家は仮面家族━━━…
あの事件以来、私たち家族は住んでいた家を売り払い、少し離れた場所にある空き家を借りることにした。
２階建てで都会にしては珍しく大きな家。
広すぎた家のせいか、私たち家族は徐々に会話すらまともに交わされることはなくなって行った…
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