誰かがいない
第2章 : 繋がらない会話
“お兄ちゃんへ 小説ありがとう。”
やはり日和にはこの事が引っかかっていた。
兄に小説を貸して欲しいとは言ったが、かなり前の話━━━…
それに、この小説は前に一度借りたはず……
気にしないようにはしていたが、どうしても気にせずにはいられない日和。
“お兄ちゃんへ あのCD返してね”
なんて返ってくるだろうか…
日和は賭けに出た。
もちろんお兄ちゃんにCDなんて貸してはいない。
ただ…
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