誰かがいない


『行ってきます…』


誰もいないのは分かってる。
けど、なぜか言いたくなる。



私は大学3年生で、サラリーマンの父、会社勤めの母、5つ年上のフリーターの兄、2つ年上のOLの姉、そして双子の学生の弟との6人家族。


私の名前は東条日和。
お日様の光が燦々と降り注ぐ、澄んだ空の日に生まれた私たちに、母は“日和(ひより)”と“日向(ひなた)”と名付けた。







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