真冬の紅葉が散るように
そうこうしているうちに銀行に着いた。





何時ものようにナツ兄、イチ兄と一緒に正面から銀行に足を踏み入れる。




「いっちょやりますか。」




私は何年も前にイチ兄にもらった銃をコートのポケットから出した。




そして、天井に向けて空砲を撃つ。





人が様々な方向に散る。





その時、受付のカウンターの上の花瓶に季節外れの紅葉の葉が着いた枝が差してあるのがチラッとみえた。





へえ。真冬に紅葉の枝か。


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