真冬の紅葉が散るように
痛みに耐えきれず、床に仰向けに倒れこむ。


出血のせいで意識が薄れるに連れて、頭の中で声がしてきた。




『もし、小さい頃に戻って、あの頃のお母さんと暮らせるのなら、過去に戻りたいですか?』




『戻らない。絶対に』




『なぜ?』




『タキ兄達は家族以上に大切な人たちだったから。』


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