だから俺と、付き合ってください。
顔の目の前で手をブンブン振って、ニッと笑う彼に私もヘラッと笑った。
やっぱり優しいなぁ。
そして、この笑顔を見ると、なぜだか安心しちゃう。
ホッとしちゃうの。
それぐらい、清瀬くんの笑顔にはパワーがある。
「…………」
ガーゼを鼻から離して、血が出てないか確認したけど、まだほんのり出て来ているみたい。
……間抜けなところ見られたなぁ。
「やっぱり球技大会出たくないなぁ」
「なんで?」
「見ての通り、運動音痴だし、私。みんなにも迷惑かけちゃうしさ……」
勝つ気満々なみんなの足を引っ張りたくない。
なによりカッコ悪いところを見られたくないよ……。
ーー誰に?
それは……清瀬くん……?
「じゃあさ、得意になろぉーよ!」
「え?」
「俺、教えてやるからさ。バスケ!」