だから俺と、付き合ってください。



なんて言ったら、また、すごく笑ってくれるんだろうなぁ。



「あ。ここまででいいよ。送ってくれてありがと」



最寄り駅について、立ち止まる。


ポケットに手を突っ込んでいた清瀬くんが私を見てニッと笑う。



「いいえー!こちらこそ聞いてくれてサンキューな!」


「最後のほうは全然聞けなかったけどね」


「そんなことねーよ。楽しかったし、よかったらまた話聞いて」


「うん」



入学して一年が過ぎていたけど、清瀬くんとは今日はじめて話をした。


でもそんなことを感じさせない彼のフレンドリーさに改めて感心した。


前から知り合いだったように会話が弾んだ。


それが彼の魅力であり、人気の秘訣でもあるんだろうな……なんて。



「じゃな、藤田。気ぃつけて帰れよ!」



改札を抜ける私に満面の笑みで大きく手を振る彼にちょっぴり恥ずかしくなりながら小さく手を振りかえした。


……恥ずかしいわ。バカ。


なぜか小走りで階段を上がる。電車の中に入って一呼吸おいて、空いてる席に座った。


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